高気密住宅で石油・ガスファンヒーターの使用はNGです!
冬には厳しい寒さが続く青森では、暖房器具にファンヒーターを使っているご家庭も多いのではないでしょうか?
しかし、高気密住宅での石油・ガスファンヒーターの使用はNG!
場合によっては、一酸化炭素中毒や酸欠、結露を引き起こす危険性もあるのです……
今回は高気密住宅で石油・ガスファンヒーターを使うリスクや、高気密住宅でも安全に使える暖房器具を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
高気密住宅で石油・ガスファンヒーターを使うと危険な理由
壁や天井などの隙間を徹底的になくし、室内の気密性を高めている高気密住宅。少しオーバーな言い方をすると、室内が密封状態に近いということです。
なぜ高気密住宅で石油・ガスファンヒーターを使用すると、危険なのでしょうか?
一酸化炭素中毒になる恐れがあるから
石油・ガスファンヒーターは、室内の空気を取り込んでガスを燃やし、その熱で室内を温める暖房器具です。酸素を燃やしたときに出る排気ガスも、熱と一緒に室内に排出されます。
「ファンヒーターのつけっぱなしは危険」
「数時間に1回は換気が必要」
と言われ、3時間の自動消化装置が義務付けられているのは、室内の酸素不足によって起こる不完全燃焼と一酸化炭素中毒を防ぐためです。
一般的な住宅であれば、ある程度の空気は家の隙間を通じて入れ替わるため、数時間おきの換気で安全に石油・ガスファンヒーターを使用できます。
しかし、室内が密封状態に近い高気密住宅で石油・ガスファンヒーターの使用を続けると、あっという間に酸素不足になってしまうのです。不完全燃焼による一酸化炭素中毒だけでなく、酸欠になる恐れもあるでしょう。
グリーンホームズの家では、第一種換気システムで2時間に1度は室内の空気が入れ替わりますが、それでも換気は追いつきません。
高気密住宅で石油・ガスファンヒーターを安全に使うためには、1時間のうちに2〜3回ほど窓を開けて換気する必要があるのです。しかしそんなに何度も窓を開けて換気していると、せっかく暖めた室内も冷えてしまい、本末転倒ですよね……
結露の原因になるから
健康面に関わることではありませんが、石油・ガスファンヒーターの使用が危険な理由には「結露の原因になること」も挙げられます。
石油・ガスファンヒーターは空気を燃焼させるときに、熱と一緒に大量の水蒸気も発生させます。灯油1リットルを燃焼させると、1リットルの水蒸気が出る計算です。
1時間当たりで考えると約0.2〜0.3リットルほどですが、これは小型の加湿器と同じ加湿量。石油・ガスファンヒーターは、小型加湿器と同じレベルで室内を加湿しているのです。
前回の記事「高気密住宅が結露する原因と換気の重要性」で紹介したように、湿度は結露の大敵!湿度が高すぎると結露を起こしてしまいます。身体に害はなくとも、住宅に深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。
石油・ガスファンヒーターは即暖性の高さが魅力ですが、高気密住宅とはとても相性が悪い暖房器具なのです……
高気密住宅におすすめの暖房器具は?
高気密住宅での石油・ガスファンヒーターの使用がNGと知って、落胆している方も多いと思いますので、ここでは高気密住宅と相性がいい暖房器具を紹介します!
給排気ができる「FF式ファンヒーター」
「高気密住宅でもファンヒーターを使いたい」という方におすすめしたいのが、FF式ファンヒーターです。
文字通りFF式ファンヒーターもファンヒーターの一種ですが、給排気筒を通して排気ガスを外へ排出するので、高気密住宅でも安心して使用できます。
その他のメリットもみてみましょう。
- 酸欠や一酸化炭素中毒の心配がない
- 臭いがしない
- 結露の心配がない
FF式ファンヒーターは排気ガスとともに水蒸気も外へと排出するため、臭いはもちろん、湿気による結露の心配もありません。
また、温風やふく射熱は送風ファンで室内へ送り出し、床から室内を均等に温められるので、高気密住宅と寒冷地にうってつけの暖房器具なのです。
ただし、そんなFF式ファンヒーターにもデメリットはあります。
- 設置費用が石油・ガスファンヒーターよりも高い
- 壁に穴を開けなければならない
- 設置位置の移動ができない
- 掃除が大変
設置費用以外に関しては、導入の決断になかなか勇気がいる内容です。
しかし、実際にFF式ファンヒーターを導入した方の口コミを見ていると、設置に満足しているとの声も多く見られました。
ファンヒーターの設置をお考えの方は、FF式ファンヒーターの導入を検討してみてくださいね。
温度を自動調節できる「エアコン」
「壁に穴を開けるのは嫌」
「冷暖房器具は1つで十分」
と考える方には、エアコンがおすすめです。
エアコンは温度を自動調節できるのはもちろんのこと、スマホアプリを使って遠隔操作できるとても便利な機種もあります。
家を出ている時間が長く、帰る直前に部屋を暖めておきたい方や、反対にエアコンを1日中つけたままにしたい方にはメリットが多い暖房器具です。
エアコンを使用するときに心配になるのが、空気の乾燥ですよね。しかしグリーンホームズの換気システム「澄家」は、温度と同時に湿度の交換も行うため、除湿・加湿の調整をして、エアコンのデメリットをカバーすることができます。
「FF式ファンヒーターの設置を悩んでいる」「設備を増やしたくない」という方は、ひとまずエアコンだけで過ごしてみるのも一つの手かもしれません。
暖房器具にも気をつけて、快適な暮らしを
今回は暖房器具の中でも代表的な、FF式ファンヒーターとエアコンを紹介しましたが、高気密住宅でも安心して使える暖房器具や設備は他にもたくさんあります。
グリーンホームズには、燃焼機器専門の石油機器技術管理士が在籍しているため、暖房器具の選び方や設置後の掃除、トラブルへの対応も可能です。
すでにグリーンホームズの住宅にお住まいの方も、これから新築を検討している方も、お気軽にご相談ください。^^